次に 出会ったのは もそもそ 歩く 黒い 生き物。
「大変だ、大変だ。予定が 全部 狂っちまった。」
その 生き物は あっという間に どこかへ 行こうと するから
「あら、楽しそう。私も 忙しい ふりして 慌てて みようかしら。」
って言ったのに
まるで 何も 聞こえて いないかのように
どこかへ 走り去ってしまった。
「何よ あの黒い 生き物!私のことを 無視して くれちゃって!
何で そんなに 慌てて いたのかしら。
もしかしたら、私に 手伝える ことだったのかも。
困っていたのなら、 口に出してくれなきゃ 伝わらないわよ。」
そんなことを 考えながら 歩いていたら、ツタに 絡まって しまった。
ツタから やっと 抜け出せて
しばらく 歩いていると、風が ふわっと 吹いてきた。
サワ サワと 草同士 こすれる音が あたりに 広がる。
思わず
「フゥン、フゥン、タララッタ」
と 意味のない 言葉で 歌いながら 踊ってみた。
連載記事
「あさごち」全5話
・2話 2020/8/21 up