年の瀬も迫る12月24日
岩波ホールにて上演中の『リンドグレーン』を観てきました。
アストリッド・リンドグレーンはスウェーデンの児童書の編集者で、児童文学作家でもあります。
私が彼女の作品で知っているものは
『長くつしたのピッピ』
『山賊の娘ローニャ』
です。
『長くつしたのピッピ』は最近読み返したのですが、大人がいない世界でやりたい放題のピッピを、私はいつのまにか大人の目線で読んでいました。
「何だこの子、信じられない」と
そして突然思い出しました。
私の友人のことを。(この友人のことは後でお話しします。)
『山賊の娘ローニャ』は宮崎吾朗監督のアニメで、面白くてずっと見てました。
放映当時、私は閉鎖的な毎日を過ごしていたので、ローニャのように春の訪れを全身で喜べるようになりたい!と願ったものです。
そんな生きるエネルギーに満ち溢れている女の子が主人公の物語を産み出したアストリッド・リンドグレーンさん
そのリンドグレーンさんの生涯の一部分を描いた映画
『リンドグレーン』
控えめにいっても、素晴らしかったです。
キャッチコピーにある
「暗闇から明るみへと、物語が私を導く」
という言葉
この言葉がこの映画の全てだと思います。
話を『長くつしたピッピ』に戻して、
このお話を最近読んで思い出した友人の話です。
それは「M美」という女の子で
私は小学3年生の頃に出会いました。
M美はピッピのような女の子で、親友にA子というかわいい女の子がいて、皆同じクラスでした。
私はいつも、その二人の間におまけのようについていて
いつも二人が起こすハチャメチャな出来事に感心していました。
その中でも特に常軌を逸しているのが
「お手製バレンタインチョコレート事件」
1990年代のあるバレンタインデーの日に、M美とA子から渡したいものがあるからと自宅に電話が掛かってきました。
「二人でバレンタインチョコを作ったから渡したい」
という内容の電話でした。
そのときの口調から(笑いを堪えながら話していたので)「こいつらまたしょうもないことやったな」というのが分かり、私はそのとき「用事があるから会えない」と断りました。
かなりしつこく渡そうとしてきたので、しつこく断り返しました。私はこいつらのクレイジーさをよく知っていたので、それはもう、本気で断りました。
後日
学校でちょっとした騒動が起きていました。
そのとき、クラスの担任はO島という若い男性教諭でした。
そしてバレンタインデー
この流れからいくと、そうなのです。
二人は、このO島という男性教諭にお手製のバレンタインチョコを渡してました。
そして、経験の浅いこの若い男性教諭はまんまとこのチョコを口にしたわけです。
結果、校長室に親御さんと共に呼びだされる二人。
そのチョコレートの中には、さまざまな香辛料とも呼べないものが(からしとかタバスコとかわさびとかガムとか…たぶんここに書いたもの以上のものを入れていたと思います)混入されていて、O島教諭は体調を崩したそうです。
「こえーよ
マジ本気で断って良かった」
当時そう思ったことを鮮明に覚えています。
その他に
「A子水かぶり事件」(明日学校休みたいからと、家の外にある水場で1月のある夜、全身に水を浴びるが翌日風邪を引けず元気に登校)とか
「M美とA子、特別支援学級用に購入してあったお菓子の場所を校内で見つけて食べちゃう事件」とか
(そんなことをしつつも、M美とA子は特別支援学級の生徒にすごく優しかった)
様々な突拍子もないことを二人は散々やらかしたあと
4年生の終わりに、突如二人して別々の場所に転校してしまいました。
そして、私の一番自由でいられた子供時代は突然幕を下ろされました。
私の中の「あれしちゃいけない、これしちゃいけない」をぶっ壊してくれたのは、間違いなくM美です。
ピッピもローニャもそうやって、世界中の「あれしちゃいけない、これしちゃいけない」をぶっ壊してきたのだなと、映画を観て理解できました。
突然ですが、来年の目標ができました。
私の中の「ダメリスト」を破っていく!
尾崎豊的に言うと
「この支配からの卒業」
私、今年最後にこの映画を観れて良かったです。
それでは
今年も私のHPへ来てくださった方々。
いつも私の拙いブログを最後まで読んで下さっている方々。
個展へ来てくださった方々。
応援してくださる方々。
感謝いたします。
どうぞ、来年も
皆さまにとって幸せな年になりますように。
良いお年を。
2019年12月25日
青木鮎美
コメントをお書きください