と続きまして、今回で3回目
今回はディエゴ先生の残してくれた言葉について書いていきます。
主観が混じるとディエゴ先生の伝えようとした意図が変わってしまうので、あえて箇条書きで書いていきますね。
すご~くボリュームがあるので、コーヒーでも飲みながらつらつらと読み進めて下さい。
そして、これを五日の間に自分の中に消化して作品へ結び付けていくことが果たして可能かどうか、「夏のアトリエ」に参加したつもりでチャレンジしてみると面白いかもしれないです。
私はですね
はい、もちろん5日では消費できずに、ディエゴ先生の言葉の意味を理解しないまま突っ走った結果、真っ白な灰になりました。
ではいきます!
ディエゴ・ビアンキさんの言葉集(多少、言葉が違っていてもご勘弁を!)
「資料・記録・アイデアの構築」について●16世紀ぐらいから世界にある共通の遊びはなんだと思いますか(質問)
それは雲の形をみることです。
人は雲を見てあらゆるものを想像しました。
(ディエゴ先生はこの発想をもとに『雲の中に頭を入れて』という本を作りました。)
●スケッチはコンピューターで見るのと違って、違う意味でモチベーションを上げてくれる。
この「夏のアトリエ」の講師を頼まれた時に、審査員をしたことを思い出した。
傾向としてどれもが似てきている。
それはとても寂しいことだ。
例えばたくさんの経験を積んだイラストレーターを見てきたけど、それが悪いとは言わないけれど、それにインストールされてしまう。
だから私たちはそこから外へ出て観察するべきである。
私にインスピレーションを与えたのは、優秀なイラストレーターたち。
昔はインターネットがなかったので、本からその経験を得ていました。
だから今日のスケッチも(初日の午前中に皆で東京大仏と植物園へスケッチに行った)、何もかも用意されているものでなかった、そこで起こる「驚き」や「気付き」が大事。
だからモチベーションを与えるのが詩とか音楽とか、すべて私たちにインスピレーションを与えてくれる。
大事なのは、自分で歩いて見つけること。
このワークショップはみんなでその道を歩いていくことだ。この経験がもととなって、種子になり自分の中で育てていくようになるよう願っている。
●このワークショップのファーストステップ
それは「観察」
これからも街を歩いて、できる(感じたもの)心の中のスペースが小さいものであっても大きいものに変わっていく。
その手帳にいろいろ書いていくことで記憶を残しておく。
家に帰って今日何をしたかを考えるときは観察したことを確認してやってきたことを振り返ることが明日からの未来になる。
そしてその次に物語をどう構成していくかを考える。物語を前後で書くのに必要な材料を揃えていく。スケッチを下にして画材は好きなので既成の枠ではなく考えていく。新しい画材で実験しても良い。前のものは子供が砂の城を押すよう1回壊して。
絵を作る経験が大事。
●間違うことが大事。前に進むために間違えること、受け入れることが大事
●アンデスのアイマラ族の人が言っていた言葉
「未来は過去だ」
時間というのが西洋の人と捉え方が違う
後ろを見ることで、前に進める
●アイデアは浜辺で寝そべって雲を描いたりしているうちに出てくる
●大切なのは、自分たちの好きなことをすること
●それぞれが尊敬している絵描きから受ける影響ももちろんある
プロになって仕事をしていくことについて
●本は編集さんから指定があるので、それにそったものを作る
●自分以外のプロがどういう仕事をしているのかを知るのも必要
●プロになると、何時間も何日間も同じ絵に取り組むことがある。頼まれてやっているうちに、可能性がわからなくなってしまうことがある。こういったとき、遊び心のスペースを無くさないようにするのが大事。
スケッチについて
●プロになるともっとレベルが高くて、時間的にも長く使えなくなってくる。だから皆さんにとってもこの時間(「夏のアトリエ」)は十分に活用してほしい
また続けてスケッチもしてほしい
皆さんのスケッチを見ていて気がついたのは、既成概念がなくて自由に描いている。
そのときのことを大事にしてほしい
テクニックばかりを大事にする人は、もっとそのときそのときを大事にしてほしい、偶然的な要素があるものを描いていくことが大事。
思いもかけないことを書き留めておくと、何かのときに助けられる
偶然、そのとき起こることを大事にする
●ノートの良さは、いつでのカバンの中に入れて持ち歩けること
●スケッチへ出かけると思いもかけないことがある
●町の人をスケッチするときにも、そのシーンをとらえるためには、急いで書かないといけない
それはたくさん経験を積まないといけない。
絵本について
●絵本というのは絵や画で遊ぶこと、もちろん好奇心を持つことは大事だけど、ちゃんと手順を考えてやること
取り組んだ作品で10年かかったものもある
●絵を描いて生活していくと遊びのスペースがどんどん少なくなってきてしまう。
待ち合わせに遅れないように家を出たりとか、だけどこういうスケッチだとか、物をみるということを忘れてはいけない。
そのスペースがあることで遊びの感覚が分かるので、無くしてはいけない。
●いろいろなものを試してみる。子供の本を書くなら子供の気持ちで、いつでも遊ぶ。そして、砂のお城を作ったら壊してまた遊ぶ。
この「夏のアトリエ」について
●いつも大事なのはテーマの選択
何かをすることで語っている
テキストがなくても絵が語っている
危険を犯していろいろ試してみること。
ワークショップなのでいろいろ試してみるチャンス
アイデアが出てこないときは考えながら上を向いてみたり、アイデアはそうしてるうちに思いつく
大事なのは今の経験。
昔、1日4時間しか作品に取り掛かれないことに悩んでいた
でもそうやってあまりにも必死にやっているとアイデアが出てこない
(そんなときは)無意識と友達になる
そこで悩んでみるのはやめて外に出てみる
何も考えないでそうしたらアイデアが浮かんできた
いつも外に行く機会は無いかもしれないけれど、道具を使うことが私たちの無意識に語りかけてくれる
自分を信じる事
プロセスを積んでいく経験が大切
完成を目指さなくていい
「夏のアトリエ」最終日
●5日間でどう変わっていったかをみます
ワークショップでよくあることだが、いろいろ試してみて違っていると言う事はよくある。
いろんなことを刺激して進めるのが良い
こういうふうにノートに絵を描いて、時間が経ってきたときに最初からまとめて見直す
それがポイント
未来は過去にある
お話を離れながらみるといい
そして気がつく
そのときには、こうすれば良いと言う所の前まできている
大事なのはプレッシャーとかそればかり考えてしまわないこと
ちょっと休んでみる。
そうするとアイデアの嵐がきて水が流れて、そこにまた新たな水(アイデア)が産まれる。
辛抱強く待っていると、自然と自分の方へアイデアがくることがある。
●私たちの仕事において、時間というのがどれだけ大事か分かるでしょ?
時間というのは締切のことです。
最初にやってきたことから今までやってきた事は、これからイラストレーターとしてやっていくことへのリハーサルです
でもそれが終わりではなく始まり
皆さんのノートから始まっている
まだ分からないで探している過程があって
その探求があって
だけどある時になるとなんとかしなきゃいけない期限が来て、そういう風なことを皆さんでリハーサルしたのです。
人は周りのものから学んでいきます
共有したりしながら作品を作っています
何かも出来てしまう時代かもしれないけど、ある詩人が言っていた。
「アーティストというのは他のアーティストの背中の上で作品を作っていく」
別の言い方で表すと
私たちが人に与えた影響力のこと
例えば自分には才能がないと思ったけれど、そこに自分の声を見つけていけばいい、自分の求めることを忘れないで
声が形を変えて作品に出てくる
以上がディエゴ先生が私たちに語りかけてくれた言葉です。
ディエゴ先生の言っていたミニブックについてが、ここに作り方を載せてしまうとブログが長すぎて分かりづらくなるので、別ブログ
【ボローニャ展2019~番外編~「ミニブック」の作り方】で書きますね。
最後の講評の際に参加者の中ですごく重要だなと思ったことを話されていた方がいたので、それも載せます。
●やりたいことを人にわかりやすく伝える
参加者のコメントより
今回はとても長い上に、一つ一つの言葉の持つ意味がとても重いです。
既にそれが分かっている人は、この5日間のアトリエで、ある成果を出されていました。
私は、自分の今いる立ち位置
それが目指している場所まで
まだこんなにも遠かったのかと、自覚しました。
ディエゴ先生の言葉で私が一番好きだった言葉は
「未来は過去」
という言葉
世界の見方が3次元から4次元に変わるような衝撃でした。(3次元も4次元もよく分かってないですけどね!)
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